秩父札所三十四観音霊場は34か寺、一巡およそ100kmです。秩父札所連合会の公式サイトでは、歩いて7〜8日、車で3〜4日が目安と案内されています。
持ち物は、歩くか車か、日帰りか泊まりか、季節はいつかで変わります。このページは、13年巡ってきた中で分かったことをまとめたものです。
巡礼とわ(筆者)のポイントメモ
2014年の午歳総開帳の年に巡り始めて、2026年で13年目になります。毎年、一年に一巡しています。
いつも持っていくもの
毎回、ザックに入れているものです。
- 納経帳(13年ぶんの重ね印で、年々赤く染まっていきます。ジップロックに必ず入れています)
- 経本
- 納札(事前に書いています。日付が曖昧なときは「吉日」にしています)
- 小銭(100円玉を使って納経料を支払うことが多く、千円札はほとんど使いません)
- 線香(短いもの。もしくは2つ折ります)
- ロウソク(1cmぐらいのもの)
- ライター(ジェット式ライター。直噴の炎を出すもの)
- 折り畳み傘(軽量かつコンパクトのもの)
- 携帯ポンチョ(収納すると手のひらサイズになる登山緊急時用のもの)
- ザックカバー
- スマートフォン
- 予備バッテリー
- ヘッドライト(たまに電池残量のチェックをしています)
- 熊鈴(音が異なる2つの鈴)
- 水筒・飲み物(途中で補給できる場所を事前に確認します)
- 行動食
- 芍薬甘草湯(足がつった時の非常用に携帯しています)
13年で減ったもの
巡るうちに、持っていかなくなったものがあります。
まず巡礼の本です。最初のころは、お参りの前に一読して、歴史や建物、縁起を頭に入れてから参拝していました。いつしか端折るようになり、いまは境内のどこかにある案内板を見るようになりました。
白衣と輪袈裟は、三巡目のころは着ていました。恥ずかしくなって着なくなり、いまは持っていきません。金剛杖も同じです。ただ、車で行くときは、どちらも車に入れてあります。
飲み物は、これまでお寺で水を分けていただけたこともあり、近年は行程に合わせて持参する量を調整しています。食べ物も同じです。道の駅やコンビニ、スーパーの位置がわかるようになったので、それに合わせてザックに入れています。ただし、どの札所でも補給できるとは限らないため、初めて歩く道や山道では、余裕を持って準備することが大切です。
雨具も最低限です。最初は上等な物を持っていきましたが、最近は天気予報がよく当たりますので、その日の天候に合わせて巡るようになりました。
走る日と歩く日
街中を巡るときは、札所と札所の間が短いので極力歩きます。汗だくのまま経本や納経帳を出すと、汚してしまいますから。30番あたりから34番までは間が長く、近年はここを走っています。走る日と歩く日とで、持ち物が変わります。
札所によって変わるもの
現地で借りられるものもあります。
31番 観音院の山門には、足もとに不安のある方のために竹の杖が置かれています。私も毎回、使わせてもらっています。約300段の石段を登りますので、これがあると違います。
札所によって、要るものが違います。5番 語歌堂は、線香やろうそくを立てる場所がありません。火はつけませんので、ライターは必要ありません。札所によって作法が違うので、全部の札所で同じ物が要るわけではないのだと知りました。
持ち物も、通る道も
持ち物をそろえることはもちろんのこと、通る道を変えたほうがよいこともあります。33番から34番は、以前は札立峠を越えていました。いまは熊に出くわすのが怖いので、2024年ごろからは舗装路の県道284号を歩いています。24番のあたりも、熊のリスクが高まってから車道を通るようにしました。
参拝に使う物
札所で使う物です。納経とは、参拝のしるしに御朱印をいただくことです。すべてをそろえなければ巡れない、というものではありません。何を持つかは人によって随分違います。白衣を着て金剛杖を持つ方もいれば、普段着で納経帳だけの方もいます。
使う物の一覧
| 持ち物 | 何に使うか |
|---|---|
| 納経帳 | 御朱印をいただく帳面 |
| 納札 | 名前と願いを書いて納める札 |
| 数珠 | 読経のときに手にかけます |
| 経本 | お経が書かれた本 |
| 白衣 | 巡礼の装束 |
| 輪袈裟 | 首からかける略式の袈裟 |
| 菅笠 | 日よけ・雨よけ |
| 金剛杖 | 歩くときの支え |
| 線香・ろうそく | 多くの札所で使います。ただし、立てる場所がなく、火をつけない札所もあります |
どこで手に入るか
札所によって、扱っている品が違います。1番 四萬部寺のウェブサイトには巡礼用品紹介のページがあり、納経帳、菅笠、納め札、笈摺(おいずる)、数珠などが載っています。ほかの札所で求める場合は、現地でご確認ください。
経本について
お経が書かれた本です。巡礼用は折本(じゃばら折り)が一般的です。
| 種類 | 中身 |
|---|---|
| 般若心経だけのもの | 般若心経の本文 |
| 勤行次第 | 読む順番が入ったもの |
読む順番は、宗派や霊場によって違います。 観音霊場と、弘法大師ゆかりの霊場とでも大きく異なります。決まった形があるわけではありませんので、ご自身に合う形をお選びください。
私の読む順番は、開経偈、般若心経、ご本尊真言、回向です。
ご本尊真言は札所ごとに違います。秩父34か寺ぶんは、御本尊・ご真言 一覧表hingon-list/”>御本尊・ご真言 一覧表にまとめてあります。
旅の基本装備
歩く距離や季節にかかわらず、持っておきたい物です。右の列は、選ぶときに見ておくとよいところです。
| 区分 | 持ち物 | 確認すること |
|---|---|---|
| 財布・貴重品 ※1 | 現金、小銭、身分証、決済手段 | 納経料、賽銭、交通費。電波の届かないところでの支払い手段 |
| 靴・足のケア | 歩きやすい靴、靴下、絆創膏、マメ対策の用品、テーピング | 舗装路・山道・階段のどれを歩くか。履き慣らしてあるか。濡れたときにどうするか |
| 飲料・行動食 | 飲み物、ボトル、行動食、塩分補給の用品 | 途中で水や食べ物を買えるか。休憩できる場所があるか |
| 地図・通信 ※2 | 紙の地図、ガイドブック、スマートフォン、オフラインで使える地図 | 圏外になる区間。地図を事前に保存してあるか。現在地の確かめ方 |
| 健康・救急 | 常備薬、絆創膏、救急用品、虫よけ | 持病やアレルギー。医療機関までの距離 |
※1 財布・貴重品について 小銭は100円玉があるとよいです。納経料は100円玉で支払っています。賽銭は五円玉にこだわらず、手持ちの小銭で納めています。金額は納経の仕方(御朱印、重ね印など)によって違いますので、秩父札所連合会の公式サイトでご確認ください。
※2 地図・通信について 電波が圏外でもGPSは使えます。地図アプリには、地図をあらかじめ端末に保存しておける機能があるものがあります。お使いのアプリにその機能があるか、出かける前に確かめておくと安心です。紙の地図を持っていれば、荒川、秩父橋、武甲山、線路といった動かないものと照らし合わせて確かめられます。
あると便利な物
| 区分 | 持ち物 | 確認すること |
|---|---|---|
| バッグ・収納 | ザック、サブバッグ、サコッシュ、防水袋、収納袋 | 容量、重量、背負い心地、出し入れのしやすさ |
| 電源・照明 | 充電器、モバイルバッテリー、ライト、予備電池 | 電池の残り。暗くなってから歩く可能性。予備の明かり |
| 衣類・雨具 | 行動着、着替え、靴下、防寒着、帽子、手袋、雨具、ポンチョ | 速乾性。重ね着ができるか。洗濯できる頻度 |
| 衛生・洗濯 | 歯ブラシ、タオル、洗面用品、髭剃り、洗剤、袋類 | 宿泊先の備品。濡れた物をどこに入れるか |
巡礼方法で変わるもの
| 方法 | 特に考えたいこと | 装備を選ぶポイント |
|---|---|---|
| 徒歩 | 靴、ザック、雨具、足のケア、荷物の重量、地図、熊鈴 | 距離と高低差、路面、補給地点、宿泊の仕方 |
| 走る | 軽くまとめる方法、飲料・行動食、反射材、着替え | 納経帳や経本はジップロックに入れます。ザックカバーは必須です。徒歩用の装備をそのまま持たないほうがよいこともあります |
| 車 | 参拝用品、駐車場所、車載品、車内の充電 | 車に置いておく物と、札所に持っていく物を分けます |
| 公共交通 | 小型バッグ、乗り継ぎ、荷物を預ける場所、現金、交通情報 | 駅やバス停から札所までの徒歩区間があります |
| 自転車 | ヘルメット、修理用品、ライト、反射材、防水収納 | 走行ルートの交通状況、坂道、駐輪する場所 |
秩父札所連合会の公式サイトでは、車・バイク・自転車での巡礼も正式な札所巡りとして案内されています。
日帰りと泊まりで変わるもの
| 条件 | 考えたいこと | 持ち物の例 |
|---|---|---|
| 日帰り | 当日の気温、歩く距離、途中で買い物できるか | 飲み物、行動食、雨具、地図、充電手段、参拝用品 |
| 1泊〜数日 | 着替えの量、宿泊先の備品、洗濯をするか | 着替え、洗面用品、充電器、濡れた物を入れる袋 |
| 数回に分けて | 参拝用品は毎回同じ物を使います | 巡礼用の袋にひとまとめにしておくと、出かける前の支度が早く済みます |
| 宿泊施設を使う | 寝具やタオルが備え付けか | 宿の案内で確かめてから、洗面用品や寝間着を決めます |
秩父札所連合会の公式サイトでは、連続した日程でなくてよいと案内されています。月に1回、年に1回でもかまいません。
季節で変わるもの
| 時期 | 検討する持ち物 | 確認すること |
|---|---|---|
| 春 | 脱ぎ着しやすい上着、雨具、花粉対策の用品 | 朝夕の寒暖差。山間部の気温 |
| 夏 | 帽子、日焼け止め、十分な飲み物、塩分補給の用品 | 暑さ指数と気温。給水できる場所。休憩できる地点 |
| 秋 | 防寒着、雨具、ライト、反射材 | 日の入りの時刻。台風や大雨。山道の状況 |
| 冬 | 保温着、手袋、帽子、防水性のある靴 | 山間部の積雪と凍結。交通規制。日の長さ |
| 梅雨・雨天 | レインウェア、防水袋、替えの靴下 | 雨量、強風、川の増水、土砂災害や通行止めの情報 |
| 猛暑・荒天の予報 | 必要な水分、予備の衣類 | 装備を増やすだけでなく、行程を短くする、日を改める、取りやめる、という選び方もあります |
熊について
秩父では、巡礼道の一部が山道です。熊の目撃情報が出ることがあります。
よく挙げられる道具は、熊鈴と撃退スプレーです。ただし、鈴は過信しないよう注意が出ています。秩父市は、風や川の音で熊が人の気配に気づかないことがあるとしています。環境省も、座っているあいだや沢の近くでは音が届きにくいとしています。
出かける前に確かめることを挙げます。
| 確かめること | どこで |
|---|---|
| 最近の目撃情報 | 埼玉県のクマ出没マップ |
| 通行止め・立入規制 | 秩父市・小鹿野町・皆野町・横瀬町の案内 |
| 遭遇したときの行動 | 埼玉県・秩父市のページ |
道具をそろえることはもちろんのこと、通る道を変えたほうがよい場面もあります。
道中で補給できるところ
買い物ができる場所
秩父の巡礼道では、買い物ができる場所が区間によって大きく違います。持っていく飲み物や行動食の量は、歩く区間に合わせて決めるのがよいと思います。
| 区間 | 買い物できる場所 |
|---|---|
| 21番から26番 | ありそうで、ほとんどありません。コンビニまで歩くには遠いです |
| 30番から34番 | なさそうで、ぽつりぽつりとあります |
いずれの区間も、出かける前に地図で確かめておくことをおすすめします。
食事について
秩父地域には、知られた食べ物がいくつもあります。
| 食べ物 | 中身 |
|---|---|
| わらじかつ丼 | 小鹿野町の名物。31番・32番のあたりです |
| 豚みそ丼 | 味噌に漬けた豚肉を焼いたもの |
| みそポテト | 秩父地域のB級グルメ |
| そば | 秩父の名物。荒川地区では「そばの里づくり」が進められています |
| しゃくし菜漬け | 秩父で古くから栽培されてきた菜の漬物。冬場の漬物として親しまれてきました |
埼玉県の資料では、ほかにもたらし焼き、中津川いも田楽、つみっこ、かてめし、おっきりこみなどが、秩父の郷土料理として挙げられています。
西武秩父駅の近くには、これらをまとめて出すお店もあります。巡り終えたあとに寄るのもよいかもしれません。
お風呂
巡礼の途中や、巡り終えたあとに入れる日帰り温泉があります。横瀬町に武甲温泉、西武秩父駅前に祭の湯、32番から33番の途中に宮本の湯、33番の近くに星音の湯、34番の近くに満願の湯。13番の近くには、銭湯のクラブ湯があります(温泉ではありません)。
お風呂に立ち寄る予定なら、タオルと着替えを入れておくとよいかもしれません。


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